仏石への旅
前回の記事から続いて。
道の駅で聞いた通り星の岩屋への登り口で標識を見ていたら、歩きながら登り始めていた
お遍路さんがいました。もちろん同じルートを車で登っているので、車の方が先にお寺に
到着していたはずなのに、急な石段と二本杉の上にはその時のお遍路さんの姿が。。。。
何故??不思議です。
ここは四国八十八箇所 第19番札所、立江寺の奥ノ院。星谷寺(しょうこくじ)
別名、星の岩屋です。
急な階段なので本堂を上がらずに、先に大師堂の方に回ってみました。
不動の滝は頭上の滝から流れ落ちる水を裏から見られることから、裏見の滝とも呼ばれています。
写真を撮っていたら、本堂でお参りしていたお遍路さんが岩屋を歩いてくるのが見えました。
お遍路さんに挨拶すると、これから仏石の方に回られるとのこと。
「遠くはないのですか?」と聞くと約600メートルと言われるので、その位なら行けるかな?とここまで来たことだし、後で寄り道して見ようと軽く考えました。
これが後によれよれ、ヘロヘロになる登りばかりの険しい山道だとも全く知らず、足を
踏み出してしまいました。平地の600メートルとは違うのにね。山道を知らないとは言え。。。
行けども行けども、急な上り坂ばかり。
どこまで行くの~??と汗だらけになりながらも一歩ずつ前に進むしかありません。
スポーツは大の苦手。それにマラソンも歩くのも、いくら健康の為とはいえ、好きでは
ありません。できれば避けたい位です。それなのに。。。。。何故?
半泣きになりそうですが、とにかく前に進むしかないと。ぶつぶつと祈るような気持ちで、
足を運ぶのみでした。道の途中道しるべがあると、ホッと安心して、自然に感謝の気持ちが
湧き上がります。
山の木々が鬱蒼として、お天気も雲のせいか日が射さなくなると、段々心配になって来ました。
もし、雨が降ったらどうしよう? 携帯もつながらないし、この道は間違えてないのかしら?
どのくらい山の中を歩いたでしょうか?下り坂になり始めました。
もしかしたらもうすぐかもしれないと、足も気持ちもはやり坂道を下りました。
あれ~。そこには「来られたんですね!」って笑顔のお遍路さんが立っていたんです。
まるで、ここまで導いてくれたかのようです。
そして、お遍路さんが指射す方向には神秘的なこんな景色が広がっていました。
大銀杏の下には53体の石仏が円錐状に安置されています。
汗も収まり誰もいない山の静寂の中で、円錐状に安置されている仏を見ていると、
まるで別世界というか仏の世界に来たかのようです。
帰り道もまた同じコースを歩く事になるのですが、お蔭で元気をもらいました。
今回が2巡目と言う、鳥取から来られたお遍路さんに先を歩いていただいて、ヨシッと登り
階段を踏みしめたものの、距離がドンドン離れる一方でした。
でも不思議と気持ちよい風と安心感が心の中一杯になって満ち足りた気分です。
(C)All Photo by Hiro
行きはアドベンチャーワールドの様に非常に怖かった道でしたが、帰りは一度は通った道、それに下り坂のせいもあり、ゲンキンなものでスイスイです。
そして、星の岩屋への登り口にある標識の所には、あのお遍路さんが歩いていました。
窓を開けて手を振りながら「どうもありがとう! 道中お気をつけて下さいネ。」って。
一期一会の出会いでしたが、多分あのお遍路さんに出会わなければ、初めてのへんろ道を歩く
ことはなかったと思います。本当に要所、要所で導いてくれるかのようで、お蔭で仏石にご縁を
いただきました。
今から思い出しても、何故?と思う程、健脚のお遍路さんでしたぁ~。
でも、今度は車で行ける道もあるようなので、仏石の近くまで車で行きたいです!
この日の朝、目指していた上勝町への旅は、すでにここ勝浦町星の岩屋で完結してしまったかの
ような感じでしたが、元気をもらったお蔭で樫原の棚田、そして夜には初めて見る立江の筒花火
まで続きました。
細切れになった記事ですが、お付き合いいただいてどうもありがとうございました。
もしかしたら、いつか筒花火でしつこく記事にするかもしれません。(笑)
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